あきちゃん物語 ~小さな羽のそばに~

初代あきちゃんは、メスのセキセイインコでした。とても懐いていて、放鳥タイムになると、いつも僕の傍にいてくれました。

パソコン作業をしているときは、パソコンのスピーカーにちょこんと乗って、じっとこちらを見つめてきました。僕がトイレに行くために部屋を出ると、帰ってくるまでドアの近くで待っていてくれた、そんな可愛い子でした。

初代あきちゃんは発情するたびにたくさん卵を産みました。何十個も産んだと思います。そのため、3歳になる頃にはお腹に膨らみができてしまいました。下腹部の腫瘍のようなもので、それが原因となり、4歳になったばかりの頃に亡くなってしまいました。

あきちゃんを失った悲しみは深く、長い間ペットロスに苦しみました。

あきちゃんの思い出は、初代ゆき君以上にたくさんあります。あきちゃんは、それほどまでに僕に懐いてくれていたのです。

奇跡の出会い

あきちゃんのことが忘れられず、僕は新しい雛をお迎えすることにしました。そして、3代目となるあきちゃんとの出会いが訪れました。

初代あきちゃんをお迎えするとき、ペットショップに何度も通い、雛たちの様子を見ていました。その中で気になったのが、青と白が混ざった模様のセキセイインコでした。(後で「パイドブルー」という模様だと知りました。)

最初はその子をお迎えしようと思っていたのですが、カゴに近づくと、目的の雛は寝ていて、もう一羽が盛んにアピールしてきました。「この子にしようかな」と諦めかけたとき、寝ていた目的の雛が目を覚まし、アピールしてきたのです。その瞬間、確信しました。「この子だ」と。

そして、3代目あきちゃんをお迎えしたときも、まったく同じ出会いがあったのです。先にアピールしてきた子を押しのけるように、寝ていた目的の雛が目を覚まし、アピールしてきたのです。奇跡のような出会いでした。

3代目あきちゃんとの日々

3代目あきちゃんも、初代に負けないくらい懐いてくれました。放鳥タイムではいつも僕の肩に乗ってくれたり、首筋や耳たぶを舐めてくれたり。

初代あきちゃんがやっていた「コウモリポーズ」も、3代目あきちゃんは自然とやっていました。まるで生まれ変わったかのように。

けれど、悲しいことに、3代目あきちゃんも、初代と同じように卵をたくさん産み、同じく下腹部に膨らみができ、4歳で亡くなってしまいました。

最後の旅立ち、そして新たな命

ある日、3代目あきちゃんが急に暴れ出し、倒れてしまいました。すぐに関西のいつも通っている動物病院へ向かいましたが、帰り道、滋賀県最大の鳥専門ペットショップを越えたあたりで息を引き取りました。

また深いペットロスに陥りながら、あきちゃんの生まれ変わりを強く祈りました。「今度はオスに生まれ変わってくるんだぞ」とお墓に向かって話しかけました。

それから数ヶ月後、どうしてもあきちゃんの代わりが欲しくて、あのペットショップへ向かいました。ちょうどその頃、パイドブルーの雛が入荷されたという情報がありました。

そして、3代目あきちゃんが亡くなった場所に近いそのショップで、今のあきちゃんをお迎えすることができたのです。しかも、オスでした。

今のあきちゃんとともに

今のあきちゃんは、お迎えした瞬間から、まるでずっとこの家にいたかのように懐いていました。

当時は、初代ゆき君もその息子もいて、懐いているセキセイインコは他にもいましたが、あきちゃんはその中でも群を抜いていました。

今でも、放鳥タイムになると必ず僕の肩に来てくれます。肩に乗ると、そっと首筋を舐めてくれることもあります。

コウモリポーズはしないけれど、ブランコに乗って眠る姿を見せてくれます。

あきちゃんは、僕にとって大切な、大切なセキセイインコです。

これからもずっと、あきちゃんと一緒に――。